今回の令和4年基準地価では、新型コロナの影響が徐々に薄れてきたうえに、水際対策が緩和されてインバウンド需要が徐々に戻るという期待感から、これまで大きくマイナスとなっていた繁華街エリアでも減少幅が縮小するなど、回復基調が見られました。
気になる今後ですが、いまだ大阪心斎橋・なんばエリアでは、店舗の空きが続く場所も点在するなど回復基調にありますが、完全回復まではあと少し時間がかかるかもしれません。しかし、大阪圏では、2025年の大阪・関西万博も控えており、地価のプラスが期待できる要因もあります。
また、歴史的な円安が続いており、海外投資家からの日本不動産購入が更に増えていくことも考えられます。海外投資家から見ると日本はもともと、利回りの良さで他のアジア地域に比べて好条件でありました。円安で更に、海外投資家による日本への不動産投資に拍車がかかることも想定されます。その結果、地価が上昇する可能性も考えられます。
一方で、金利の動向にも目を向ける必要がありそうです。日銀は量的緩和を継続する意向を発表していますが、もし、今後日本も欧米諸国と同じように金利上昇に舵を切るとしたら、地価の上昇基調にストップがかかる可能性もあります。今後の金利のゆくえに、注意が必要と言えそうです。